内部監査人の資格おすすめ【体験談有】

内部監査人が取るべき資格
内部監査人

内部監査人は資格を取るべき?
何の資格がおすすめ?

こんな疑問にお答えします。

結論、内部監査人は資格があった方がベター

なぜなら監査人として結果を出すには監査される側や周囲(ステークホルダー)に対し説得力を上げる必要があり、資格がそれに寄与するからです。つまり、資格で箔がつくということです。

もちろん箔をつけるのに「資格」が必須というわけではありません。「業務経験」「経歴」「役職」「特殊スキル」等、「資格」でない部分も箔をつける要素となります。

1つ言えることは、「資格」は名刺や署名に記載できるので、外に示すのが容易であるということです。相手が初対面の場合に特に役に立ちます。

一方で、資格にはメリットばかりでなく、準備、試験、維持に、時間とコストがかかるのでのデメリットもあります。なので厳選すべきです。

本記事では私の経験から内部監査人が取るべきおすすめ資格を紹介します。

本記事の信頼性

グローバルメーカーでの内部監査やBIG4での内部監査アドバイザリーなど豊富な内部監査の経験に基づいています。

目次

内部監査人が取るべき資格~基準~

内部監査資格 選んだ基準

下記の基準で資格を選びました。

  • 資格取得にかかる時間とコストが妥当か
  • 内部監査実務へどれだけ役に立つか
  • 働きながら取れる資格か

内部監査人が取るべき資格【厳選】

内部監査取るべき資格
  • CIA(公認内部監査人)
  • US-CPA(米国公認会計士)
  • CFE(公認不正検査士)

内部監査人が取るべき資格:CIA(公認内部監査人)

おすすめ度:

公認内部監査人は、内部監査の国際協会(IIA)が定める国際的な認知度が高い内部監査資格です。

試験は3部構成となっており、Part1、Part2は内部監査の知識、Part 3は内部監査周辺知識(ビジネス・IT系)が問われます(2020年12月時点)。

この資格の最大のメリットは、IIAの「専門職的実施の国際フレームワーク」(IPPF)をベースに内部監査で直面する様々な事象を考え、整理できるようになることだと思っています。

試験合格以外で必要な要件は、大学卒であることと倫理的に問題ない人であることを証明する他者からの推薦状が提出できることです。

合格まで必要な勉強時間は400時間程度と言われており、6カ月~1年程度で取得は可能です。早い人では数か月で合格しています。もちろん働きながら可能。

実務経験があり内部監査の国際基準をそれなりに知っている人であれば独学合格も可です。(ただ内部監査の経験が浅い人であれば専門学校の体系的な整理された教科書で勉強する方が効率的)

コスト面、実務面を考慮して、今後内部監査領域でキャリアを描いている人にとっては最もおすすめな資格です。

一方デメリットとしては、内部監査以外への汎用性は(US CPAと比較して)高くないことです。また資格認定には2年の内部監査の実務経験が必要となることも留意しておく必要があります。

CIA(公認監査人)の特徴
  • 内部監査について幅広く知識の習得が可能
  • 「専門職的実施の国際フレームワーク」(IPPF)をベースに思考できるようになる
  • 内部監査の資格として国際的な認知度が最も高い
  • 半年程度で合格が可能、独学でも合格可能
  • 内部監査以外への応用可能性(汎用性)は低い
  • 資格認定には2年の実務経験が必要

内部監査人が取るべき資格:US-CPA(米国公認会計士)

おすすめ度:

US CPAはその名のとおり米国の公認会計士の資格です。

試験は米国全土で統一されており、受験要件・ライセンス要件は州によって異なります。普通の日本人がライセンスは取得するには現行ではワシントン州かグアム(準州)の2択になるかと思います。

内部監査の仕事をしていると「会計士」という資格は一目置かれます。グローバルな環境で仕事をしている場合には特にそうです。

CIAと違い、内部監査以外の領域でも広く知られている資格であり、財務・経理部門へのキャリアを描いているなども多く取得しています。

US CPAは、日本の公認会計士ほど専門知識は不要で容易に合格が可能です。もちろん皆、働きながら取得しています。ただ、完全独学は効率性の観点から適切でない思います。

デメリットは、単位取得、出願、試験代、専門学校の費用等を考慮するとそれなりにコストがかかります(100万円以上)。また2~3年の期間が必要なことです。私の場合は、専門学校選びに失敗したりと、6.5年で190万円費やしてしまいました。

US-CPA(米国公認会計士)の特徴
  • 米国の会計士の資格で試験は米国全土で統一
  • 受験要件、ライセンス要件は州ごとに異なる
  • ライセンス取得を日本人が目指す場合の候補州はワシントン州かグアム(準州)
  • 試験は①財務会計②税務・法務③監査、④ビジネス全般の4科目
  • 取得までの期間は受験要件を満たす期間を考慮すると最低2~3年は必要
  • US-CPAの専門学校に通う必要がある
  • 資格取得の総コストは100万円以上はかかる
  • 内部監査だけでなく、経理、財務、企画等様々な分野でのポテンシャルがある

費用対効果という観点から、内部監査のキャリアに硬い人であればCIA(+CFE)、内部監査だけでなく、経理・財務・企画等、汎用性の高いキャリアを考えている人にはUS CPAがおすすめ

内部監査人が取るべき資格:CFE(公認不正検査士)

おすすめ度:

CFE(公認不正検査士)は米国に本部があるACFE (公認不正検査士協会) が認定している不正の専門家の国際的な資格です。難易度は中程度です。

内部監査の世界にいると、CIA+CFEの取得者が結構な割合でいます。その理由は、CIAは内部統制をテーマにしているの対して、CFEは不正に特化している勉強をするので、その内部統制と不正の組み合わせが監査人に必要なスキルにマッチしているためです。

不正っていろいろなところで起こっています。大企業の不祥事など(粉飾決算、社長や従業員の横領など)が頻繁にニュースで報道されていますね。

内部監査は不正調査をする部門ではないですが、不正に関するリスクとその対応が適切にできているかを評価したり、時に不正の兆候を見つければそれをマネジメントに伝え、問題が大きくなる前に未然に対処するというような役割が求められています。

よって「CIAで内部統制・内部監査の全般を学んで、CFEで不正領域を深める」という方法がいまの内部監査市場のニーズにあっています。

デメリットとしては、ACFEという協会の会員であることが受験の要件となっており、個人で入るには受験前から年2万円以上のお金が発生することです。

CFE(公認不正検査士)の特徴
  • 不正に特化した知識習得が可能
  • 難易度は中程度
  • CIA+CFEで企業不祥事が絶えない時代に求められる知見取得が可能
  • ACFEの会員になっていることが要件

ランク外とした内部監査関連の資格

内部監査取るべき資格

公認会計士(日本)

日本の公認会計士を取得するには最低4000時間の勉強が必要と言われており、働きながら取得するのは難しいのでランク外としました。もちろん、内部監査人として公認会計士(日本)は強い武器になります。

CISA(公認情報システム監査人)

情報システムに特化しているので除外しました。情報システム・セキュリティ監査人を目指すのであればおすすめの資格です。

情報システム、IT監査ができる人材は足りておらず、内部監査の人材市場では引っ張りだこです。

一方で、資格認定されるのは、5年の実務経験という条件もあり時間がかかることは念頭においておいた方がよいでしょう。

内部監査士

内部監査士は、日本内部監査協会が主催する内部監査士認定講習会を修了した方に与えられる資格です。

50時間の研修を受けて論文を書くと取得可能です。デメリットは、集合研修に参加しなければいけないので、時間の融通がきかない点です。国際的な知名度を意識するのであればCIAの方を取るべきかと思います。

ただ内部監査士の研修内容自体はとても面白いようです。所属している企業が時間とお金を投資してくれるのであれば受けて取得してみるのは良いと思います。

まとめ~資格はあくまで手段・戦略を定めよう~

内部監査の資格はあくまで補助

ここまで資格のことをかいてきましたが資格はあくまで手段(補助)です。

私はこれまで、簿記、ビジネス実務法務、中小企業診断士、米国公認会計士等、いろんな資格にチャレンジしてきました。

「結構、無駄だったかな」と感じている部分もあります。理由は資格を取ったからといって仕事ができるようにはならない、稼げるようにはならないからです。仕事をできるようになるには実務を積み重ねるしかないです。

一方で、資格が役に立ったなっと思った場面は、初対面の人やこれまで自分と一緒に仕事をしたことがない人と関わったときです。初対面ではわりと資格はみられます。ただ、一緒に仕事をはじめてしまえば、資格は関係ないです。「自発的に、思考して、アウトプットして、改善してるか、またコミュニケーションを気持ちよくとってくれるか」このような要素の方が資格よりも何よりも重要です。資格だけあっても意味がありません。

追加で考慮すべき点は資格は取得するだけでも大変ですが、その資格を維持するのもさらに結構大変ということです。資格の維持かかるにコスト・時間も事前に熟慮しておいた方がよいでしょう。

それらのデメリットを考慮しておきましょう。

それでもなお、資格取得を志そうとする方はあれば、以下のような目的意識で志すのがおすすめです。

知識を体系的に整理する

資格勉強の利点は、知識の体系化です。実務だけだとやはり知識が偏ってくるんです。資格の勉強は体系的に勉強するので偏った知識や不足する知識をうまく補ってくれます。良質な専門学校のテキストの網羅性とわかりやすさはやはり神的です。

異職種への異動や転職へのPRとして活用する

これまで内部監査未経験の方でぜひキャリアチェンジしたい方におすすめなのは「US-CPAやCIAを勉強し、科目合格し、見える成果を出すことで、異動とか、転職活動を実現する」という方法です。

自分の幅や知識を広げようとする行動に、説得力が生まれて、結果、職種転換、異なる職種への転職へつながる可能性が上がるはずです。私も10年以上営業をやってからUS CPAを勉強し、内部監査のキャリアへ転身した経験があります。

資格に過度の期待をしすぎずに、メリット、デメリットをみながら戦略的に活用してみてください。

今回は以上です。

内部監査人が取るべき資格

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この記事を書いた人

グローバルメーカーの内部監査部門での実務やBig 4監査法人での内部監査のアドバイザリー経験等、豊富な内部監査経験を有す米国公認会計士・中小企業診断士

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